小型衛星への光通信回線への大気ゆらぎの影響の検討と衛星通信シナリオへの適用性(符号化,変復調,信号処理技術及び一般)

概要

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宇宙空間における通信は,空間的に離れた場所へ情報を伝送するために,通常電波が用いられている.しかし,近年,光ファイバ通信をはじめとする光学技術やレーザ技術の発達に伴い,レーザ光線つまり光波を用いて離れた宇宙機器間で通信を実現できる時代に突入した.電波も光波も同じ電磁波であるが,とりわけ宇宙における光波の利用は,使用レーザの周波数が非常に高いことに起因して,小型・軽量化,高速・大容量化などの特徴を有している.近年,超小型衛星分野の研究開発が活発であるが,数十kgクラスの超小型衛星は,その搭載リソースに制限があるために,通信速度はアマチュア無線を用いて9.6kbps程度に留まっている.レーザによる通信機器は小型化可能であり,超小型衛星には非常に有望な適用分野であり,また,レーザは周波数資源の有効活用や法的規制が無いこともあり,煩雑な国際調整もなく将来に向けて有望な手段と考えられる.しかしながら,衛星から地上に直接ダウンリンクを行う場合には,回線解析に大気ゆらぎを考慮する必要がある.本稿では,光通信において大気ゆらぎを考慮した回線解析の検討例と,超小型衛星への適用性について報告する.
2013-05-09