東日本大震災における衛星通信の経済効果の検討(衛星通信,電波伝搬,一般)

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2011年3月11日に宮城県牡鹿半島沖の海底を震源として発生した東北地方太平洋沖地震は,日本における観測史上最大の規模,マグニチュード9.0を記録し,震源域は岩手県沖から茨城県沖までの南北約500km,東西約200kmの広範囲に及んだ.この地震により,場所によっては波高10m以上,最大遡上高40.0mにも上る大津波が発生し,東北地方と関東地方の太平洋沿岸部に壊滅的な被害をもたらした.また,大津波以外にも,地震の揺れや液状化現象,地盤沈下,ダムの決壊などによって,東北と関東の広大な範囲で被害が発生し,通信を含む各種ライフラインが寸断された.この未曽有の災害により,地上系の通信手段の被害も拡がる中,衛星通信は多方面で重用されたが,衛星通信が果たした役割を客観的に把握することは,今後の衛星通信の利用,及びバックアップとしての利用・整備の促進につながり,さらに,今後高い確率で発生すると予想される次の大震災の被害,特に通信手段の喪失による被害の拡大の低減に貢献するものと考えられる.以上の認識に基づき,東日本大震災において衛星通信が果たした役割,および,衛星通信の利用がより進んでいれば果たし得た役割,さらに今後の大規模な震災発生時に果たすことが期待される衛星通信の役割について,経済効果として金額に換算する定量的な評価を試みたので報告する.
2012-07-19

東日本大震災における衛星通信の経済効果の検討(衛星通信,電波伝搬,一般)

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