クラフト蒸解液中に溶出された多糖類の単離(会員研究発表講演)
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概要
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アルカリ法によるパルプ化は,良質のパルプを得ることが出来,パルプ化法として優れた方法である。然しパルプ化中に,木材構成多糖類中のヘミセルロースの多くが失われ,収量が悪いことが欠点である。ヘミセルロースの損失を少なくし,脱リグニン度の高いパルプを作ることは,アルカリ法パルプ化で,最も重要で困難な問題の一つであり特に広葉樹材を原料とした場合,ヘミセルロース含有量の高いことから重要である。アルカリ蒸解中のヘミセルロースの損失は,ピーリング反応によると言われているが,不明な点も多い。特に広葉樹材ヘミセルロース構成多糖類の大部分をしめるキシランは,蒸解液中に水素化硼素ナトリウムを添加し,還元性末端基を還元,安定化し,崩壊をおさえても,グルコマンナンのような著しい安定化は見られない。このことからキシランのアルカリ蒸解中の損失の主体は,ピーリング反応による崩壊でないように思われる。これらヘミセルロースのアルカリ蒸解中の崩壊機構を究明するため蒸解残留物の組成からの研究はあるが,蒸解液中に溶出されたヘミセルロースを単離することにより追究した研究は少ないので,蒸解段階別のシラカバ材蒸解液を試料として,蒸解液中に溶出した多糖類を定量的に単離し,その構成多糖類の組成を調べた。
- 北方森林学会の論文
- 1965-12-25
著者
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