市民と裁判官のコミュニケーション : 北欧の参審制と我が国の裁判員制(<特集>市民と法律家のコミュニケーション)
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概要
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本論文は、我が国における市民の刑事裁判参加に関する議論について、重要な理論的背景と新たな視点を提供しようとするものである。我が国の司法改革審議会は、すでに「裁判員」制と呼ばれる参審制の導入を提案しているが、本稿は、市民と職業裁判官のコミュニケーションに焦点を絞り、北欧における市民裁判官制度の経験を紹介する。北欧の制度を検討するのは、我が国が導入しようとしている参審制を刑事裁判におけるいわゆる当事者主義のもとで運用しているのは、これら北欧諸国だけだからである。本稿の結論として導かれるのは、裁判体においては市民が裁判官に比して多数配置されるべきであること、有益な議論をおこなうための裁判員のトレーニングが必要であること、職業裁判官は意思決定に際して市民の見解を取り入れるように努力すべきであること、等である。
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