教示モダリティと情報量の違いが恐怖イメージに及ぼす影響
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概要
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本研究は,イメージによる脱感作法において恐怖反応を引き起こす際,イメージの想起を求める教示に含まれる二つの要因,すなわち情報の量(どれだけの情報を組み込むべきか)と質(どういった情報を組み込むべきか)の影響を検討したものである。実験では,Lang(1977)により刺激命題/反応命題それぞれに分類される感覚の情報(手がかり)を加重した,二種類の教示に従うイメージの想起を被験者に求めた。そして,イメージ想起中の生理反応(HR,皮膚温,SCP)やイメージの内容の評価(想起し易さ,詳細さ,鮮烈さ,恐怖感)を指標として,これらの教示の影響を比較した。実験の結果,反応命題に分類される感覚を組み込む教示に従ったイメージ想起では,イメージがより鮮烈であったと報告され,さらにより大きな生理反応も惹起された。しかし,感覚情報の量による影響は見いだせなかった。この結果より,恐怖反応を惹起するイメージの教示に組み込む情報については,情報の量以上に質的な問題をより考慮すべきであることが示唆された。
- 日本行動療法学会の論文
- 1994-09-30
著者
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