自閉児における遊戯行動形成の試み : 遊戯課題と示範, プロンプトとの関係について
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概要
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本研究は,示範に含まれる意味内容の有無を変数として遊戯行動に対する示範や身体介助の効果を検討することを目的とする。対象児は,2名。課題Aは,指導者が音楽に合わせて動作を示範し,対象児はその動作を模倣する課題である。示範する動作は,腕,足の屈伸運動等である。課題Bは指導者の示範する動作を模倣する指導手続きの点で課題Aと同じであるが,ひとつひとつの動作が象徴的意味を帯びている点で課題Aと相違している。20セッションにわたる指導の結果は,次の通りである。(1)課題Bの遂行行動は課題Aのそれに比べ劣っている。(2)両課題で身体介助および集団離脱の量は減少し,遊戯行動は改善される。以上のことから,課題の象徴的意味の有無が示範行動の遂行に影響する。また,示範一模倣および身体介助の反復が象徴的意味の認知を促したり,課題遂行に対する動機づけを強めると考えられる。
- 一般社団法人日本認知・行動療法学会の論文
- 1988-03-31
著者
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