吃音者のアサーティブネスに関する研究
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概要
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本研究の目的は,吃音者のアサーティブネスについて検討することである。本研究は,2つの部分からなっている。まず研究1においては,36項目からなるassertionscaleを201名の吃音者群(平均年齢,31.8歳)と348名の非吃音者群(平均年齢,20.0歳)に実施し,アサーティブネスにおける両群の比較をした。抽出された4つの因子の因子得点を比較したところ,第1と第∬因子においては吃音者群の方が非吃音者群より高得点で,第皿と第N因子では反対に低得点であった。研究ifにおいては,まず研究1の201名の吃音者の中からhigh・assertive群(48名)と10wassertive群(50名)とをとり出し,両群のアサーティブネスの比較をした。その結果,抽出された3つの因子の因子得点は,すべてIowassertive群の方が低かった。次に,両群の自己の吃音についての捉え方を比較したところ,10wassertive群はhighassertive群よりも自己の吃音を重いと考え,非常に悩んでいることが明らかになった。以上の結果から,次のような結論が導き出された:(1)アサーティブネスに関して,吃音者間には,吃音者と非吃音者間以上に大きな相違がみられる。(2)吃音者のアサーティブネスと自己の吃音についての捉え方との間には密接な関連がある。
- 日本行動療法学会の論文
- 1987-03-31
著者
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