埼玉県感染症情報センターの6 年間の取り組み-地方衛生研究所での疫学情報と検査情報の相互補完-
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概要
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目的 地方衛生研究所の主要な機能には,疫学情報機能と試験検査機能がある.特に感染症の分野においては,地方感染症情報センターとして,この2つの機能は密接に連携しやすくなっている.地方衛生研究所は,疫学情報と検査情報の相互補完のために感染症情報センターの業務を行うことが求められている.本研究では,地方感染症情報センターの機能や活動概要を紹介する.方法 地方感染症情報センターの制度的背景を埼玉県の地方感染症情報センターを例にして,設置,機能及び活動概要を具体的に述べる.具体的な3つの感染症対応実例も述べる.結果 埼玉県の地方感染症情報センターの設置まで以下の3段階を経てきた.1 感染症集団発生調査への参加 2 疫学情報と検査情報の効果的活用を目指した事業の展開と体制強化 3 機能強化の集大成としての地方感染症情報センターの衛生研究所への設置これらは組織の実践的機能強化であり,そのため、同一組織内での疫学情報と検査情報の活用できることが必要とされた.3つの実例は,疫学情報と検査情報との相互補完の有用性を示している.以下の2点で.1 質の高い検査結果を他の疫学情報とも複合化させて評価し,合理的な施策を行う点 2 限られた諸資源を効率的に活用し,疫学的妥当性を持ったサンプリング・ストラテジーに基づく検査を実施する点結語 感染症情報センターの重要な利点は,疫学機能と検査機能との統合である。これが地方衛生研究所内に地方感染症情報センターを設置する主要理由でもある.地方衛生研究所における感染症情報センターの実質的機能強化では疫学情報と検査情報を相互補完していくことが重要である.
- 国立保健医療科学院の論文
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