教育実践における心理学的な診断と治療法の位置づけ
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概要
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本稿で筆者は,まず知能検査や発達検査,さらにいくつかの治療・訓練法について,それが個別化と数値化を特徴としていること,それは教育実践との関連で見ると限界と見なすことができることを指摘した.ついで障害児の教育(特別支援教育)に見られる最近の動向を批判的に検討し,その上で教育実践は,教師が日々の取り組みの中で子どもと実際に関係を取り結びつつ,そこから立ち上げられ展開されていくものだという視点から,ふたたび知能検査や発達検査,各種の治療・訓練法に立ち返り,その位置づけや活用の仕方についての考えを述べた.筆者は,心理学的知見や技術,療法は,それをもって教育に取って替えることはできないこと,またそれらを実施してその効果を実践にどう般化するかという枠組みをとることは不適切だと述べた.言い換えれば,実践の展開を基盤としつつ,実践を発展させるためにそれらを活かすという枠組みを重視するべきであることを強調した.
著者
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