神経性食欲不振症患者への在宅中心静脈栄養法の導入の試み(摂食障害の治療の進歩,2012年,第53回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(鹿児島))
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概要
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日本の医療行政は入院期間の短縮化と在宅医療を推進している.重症の低体重,電解質異常,腎不全で入院を繰り返さざるを得ない神経性食欲不振症(anorexia nervosa:AN)患者に在宅中心静脈栄養法(home parenteral nutrition:HPN)を導入した.本人と家族にインフォームド・コンセントを行い,訪問看護サービス,在宅支援薬局,地域の医療機関と連携して,HPNの円滑な実施と合併症の発生に対応した.本症に特有の体重増加への恐怖に配慮してHPNの投与カロリーと内容を決定した.HPNの導入は体重減少や脱水,腎不全の進行を阻止することが可能で,再入院を阻止できた.アルバイトや小旅行が可能になり,患者や家族のQOLの改善にもつながった.ANが治癒あるいは,十分な体重増加が得られてHPNを終了できる症例があった.合併症はカテーテル関連血流感染症が最も多く,ライン損傷,肝機能障害であった.
- 2013-09-01
著者
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鈴木(堀田) 眞理
政策研究大学院大学保健管理センター
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市原 敦弘
東京女子医科大学高血圧・内分泌内科
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荒木 まり子
仁医会牧田総合病院内科
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浦野 綾子
埼玉石心会病院内科
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大和田 里奈
埼玉石心会病院内科
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鈴木(堀田) 眞理
政策研究大学院大学保健管理センター:東京女子医科大学高血圧・内分泌内科:東京女子医科大学附属女性生涯健康センター内科
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