摂食障害の治療におけるチーム医療と医療連携(シンポジウム:チーム医療における心身医学的アプローチ,2010年,第51回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(仙台))
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概要
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摂食障害の治療は心理的な治療が主体である.しかし,生命の危機に陥るような低栄養や重篤な合併症,特徴的な食行動異常による家庭生活でのトラブル,就学や就労などの社会生活での障害を伴いやすく,救急,内科・小児科,婦人科,心療内科,精神科,栄養士,心理,ソーシャルワーカー,プライマリ・ケア医,学校関係者,職場の関係者など多くの部門の連携した支援が年単位で必要である.ところが,摂食障害患者は病識が希薄で,スプリッティングや飢餓に伴う精神症状に基づくコミュニケーション障害があり,チーム医療や医療連携のトラブルの原因になる.電子カルテなどの情報伝達方法を用いる,治療方針を統一させる,主治医は他部門には目的と責任範囲を明確にして依頼することがチーム医療を有効なものにする.また,主治医が,摂食障害患者についての正確な知識や困難さに配慮した対応方法を指導をすることで,外部協力者との医療連携を円滑にする.たとえ異なった施設間でもチームを組んだり,連携したりすることは,患者家族のみならず医療者の心身の負担を軽減する.
- 2011-08-01
著者
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鈴木(堀田) 眞理
政策研究大学院大学保健管理センター:東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター内科:東京女子医科大学女性生涯健康センター内科
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鈴木(堀田) 眞理
政策研究大学院大学保健管理センター
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