ハワイ日系移民の口語にみられる人称詞表現についての論考
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概要
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本稿はオーラルヒストリー・データとしてハワイ大学マノア校に録音保存されていた資料を活用し,ハワイ日系移民コミュニティにおける方言接触の様相を人称詞の使用状況に着目して考察する。録音資料はおおむね明治中期から後期頃に,主にサトウキビ畑労働者として日本各地からハワイに移住した移民一世の男女の談話文(年をとってからのインタビューで採録)で構成されている。資料中の東北方言域出身者(福島・新潟両県。後発の移民で少数派)と中国方言域出身者(広島・山口両県。最初期の移民で多数派)の日本語表現を分析したところ,東北方言域出身者にも「ワシ,ワシら」など中国方言の人称詞使用のありかたが広まっていることが明らかになった。また,東北・中国の出身地を問わず,日系人の間では英語の借用語「ミー,ユー」が多用されていることも認められた。
- 2013-11-00
著者
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