作業療法場面における作業活動を用いた介入効果に関する研究

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作業療法において、身体や精神機能の回復に作業活動(Activity)の効果が期待され、さまざまなものが用いられている。しかしながら、身体機能面への影響については、徒手的なアプローチに比べいまだ定量的に明確となっていないものが多い。今回、Activityに関して、作業療法中に用いた活動の時間割合と脳血管障害患者の麻痺側上肢機能の回復について調査した。対象は当院に入院し作業療法施行中の脳血管障害患者12例とした。上肢運動麻痺の回復については、12段階片麻痺回復グレード法(以下Grade)、簡易上肢機能検査(Simple Test for Evaluating hand Test: STEF )、自動関節可動域測定(active-Range of Motion: Active-ROM)、筋緊張測定(Modified Ashworth Scale: MAS)を指標として用いた。その結果、作業療法中に用いた活動割合とGradeの改善について有意な相関を認め(Pearsonの積率相関係数 r=0.604)、A-ROMでも10%水準で有意な相関傾向が確認された(Pearsonの積率相関係数 r=0.533)。その他の評価では、有意な相関は認められなかった。(STEF: r=0.354、MAS: r=0.178)。作業療法においてActivityを用いた割合が多い患者ほどGradeやA-ROMがよくなる傾向にあり、随意性向上を目的とした介入としてActivityは有用である可能性が示唆された。しかし、STEFや他の評価では有意な相関は認められなかったことから、運動麻痺を包括的に改善させることは出来ていない可能性も示唆され、今後も継続して例数を積み重ね、詳細な評価・解析の必要があると考えられた。
茨城県立医療大学の論文

作業療法場面における作業活動を用いた介入効果に関する研究

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