創発的組織間コラボレーションの検討と実践性(自由論題)
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概要
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本報告は、これまでもその必要性が指摘されている社会的問題解決における組織間コラボレーションについて、より実践的で有用なモデルを提示することを目的としている。今日、様々な社会的課題に対し、今までのやり方では問題解決できないとの認識が広がっている。こうした社会的課題の解決は、特定の組織単体の活動だけではなく、様々な主体間のコラボレーションが必要であると指摘されている。しかし既存の組織間コラボレーション論は、成功要因や特徴、発展段階モデルの検討が中心であり、マルチセクターの相互作用する「場」の検討と組織間コラボレーションの拡張性への言及が不十分である。そこで本研究では、創発概念、特にノットワーキング(山住・エンゲストローム,2008)を援用し、創発的組織間コラボレーションモデルを検討する。すなわち、ノットワーキングの制度化により、「弱連携」の組織間コラボレーションによる即興的活動が行われる。しかし、固定した関係ではないため、課題ごとにコラボレーションを組み替えられる。こうして様々な組織との新たな関係・秩序が生み出されていく(創発)。また、こうした活動に多くのアクターを巻き込むことによりコミュニティ全体の意識が変化していく(制度的変化)。更に、コミュニティの意識変化により、新たな「場」が形成される(創発)。そして、「場」の形成により更なるコラボレーションの可能性が生み出されていく、というモデルを導き出すことができる。
- 2013-06-07
著者
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