C-3 NPOの組織変革に関する制度派組織論的研究 : 制度的企業家の概念を中心に(自由論題)
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概要
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NPOが存続するためには、社会からの期待(または期待されているという認識)や社会的規範といった制度的ルールに応えることにより正当性を確保することが必要であり、また一方で、資金を確保するための組織変革が求められる。しかし、これらは相反する関係にある。すなわち、社会問題の解決を追求するあまりに資金の問題が発生し存続が難しくなることが考えられ、他方、資金獲得を追求しすぎると社会問題解決の主体としてのNPOの正当性を失ってしまうのである。NPOの組織変革を取り上げた研究も蓄積されているが、社会からの正当性確保の視点を含めた研究はあまりなされていない。そこで本研究では、正当性に着目する制度派組織論の視点を持ち込むことにより、NPOの組織変革理論を精緻化することを目的とする。まずNPOの変革に関する制度派組織論的な検討を行い、NPOが永続するためには、組織を変革するだけでなく、制度的環境そのものを変化させ、新たな制度的ルールのもとで正当性を確保し、その上でNPOを変革することが必要であることを指摘する。そして、制度的環境の変革主体としての「制度的企業家」の議論を援用することにより、NPOの変革行動における制度的企業家の役割について検討を行う。その上で、制度的環境を変化させ組織を変革するために、これまでのNPO活動によって培ってきた人的ネットワークを利用することが必要であることを明らかにする。
- 2010-06-25
著者
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