授業と授業外をつなぐ学生の学習ダイナミクスの研究 : WAVOCプロジェクト参加学生へのインタビュー調査の分析から
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概要
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本稿の目的は,学生が授業外での活動および学習と授業での学習とをどのような関係に組織化しているかという学習ダイナミクスを検討することである。本稿では,早稲田大学平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)の教育プロジェクトへの参加学生に対するインタビュー調査を通じて検討した。WAVOCの教育実践は,フィールドでの学習とフィールドを通じての様々な人との「かかわり」,そして「ふりかえり」を中心とするWAVOC教職員の多層的支援が特徴である。参加学生に対するインタビュー調査では,WAVOCプロジェクトの意味づけ,授業での学習との関係,両者の影響を尋ねた。その結果得られたカテゴリー分類の分析から明らかになったことは,参加学生が,授業外での活動を学習に結びつけ,授業外での重要な活動のコミュニティにおいて学習に向かい,さらに授業での学習との間を架橋して往還関係を組織化する中で,知識・経験を持ち出したり持ち込んだりしていくというラーニング・ブリッジングの学習ダイナミクスであった。また,この学習ダイナミクスは,WAVOCプロジェクトの特徴によって支えられていることも明らかになった。大学教育においては,このラーニング・ブリッジングを支援していくことを通じて,学生が自分に対する教育を自分で編成していく力と責任を育んでいくことが重要であると考えられる。
- 日本教育方法学会の論文
- 2012-03-31
著者
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