林業事業体の雇用戦略と林業労働問題 : 山梨県の認定事業体と林業就業者の分析から

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概要

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本稿では、山梨県を事例に国・県の森林・林業政策と林業事業体の雇用戦略が林業就業者の存在形態にどのような影響を与えているか、アンケート調査と実態調査を中心に明らかにした。山梨県では1990年代後半以降、委託募集や緑の研修生の受け入れに積極的な林業事業体を中心に30〜40歳代のIターンや大卒の新規就業者の採用が増加している。こうした林業事業体では現業従業員に対する月給制の導入や通年雇用の実現により年収の増加がみられたが、世帯全体の年収では地元出身者世帯の年収がIターン世帯を上回っている。多様化した林業就業者の定着を実現するためには、林業事業体の従業員組織や賃金体系の再編とともに林業労働対策を「労働力確保」から林業就業者の定着とキャリア・アップ支援へ転換し、事業体・林業・地域への定着支援を総合化する視点が重要となる。
財団法人林業経済研究所の論文
2007-05-20

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