スイスにおける地域森林管理と森林経営の基礎構造(<特集>海外林業の最新動向)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本論文では、スイスの連邦森林法に基づく森林管理に関する上級監督とカントンによる森林法の執行が具体的地域においてどのように実施され、森林経営とどのような関係にあるか、カントン・ベルンでの実態調査と統計分析から明らかにする。スイスの森林経営は、公共的森林を対象に連邦資格を有するフェルスターを経営責任者とし、事務所や車両、機械施設を備え、数人の林業労働者を雇用する林業組織として存在する。森林経営収支は1980年代以降、悪化しているものの、施業管理水準は高く、それを支える技術者の養成システムも確立している。一方、森林管理は、林務組織による私有林を含めた森林管理区に対する森林法に規定された任務の執行を意味し、ゲマインデ・フェルスターが管轄する森林管理区ではカントンが市町村・市民ゲマインデに分担金を支払い、カントン森林法に基づく選木記号付け、伐採許可、助言活動、森林現況の監視などの業務を委任している。以上のスイスの森林管理・経営組織の存在形態を踏まえ、日本とスイスの地域森林管理のあり方を比較し、日本の森林管理・経営概念の問題点を指摘した。
- 2003-09-20
著者
関連論文
- 地域森林管理と自治体林政の課題(統一テーマ:地方自治体による新たな林政と森林管理,2004年春季大会論文)
- スイス森林管理政策の形成過程と現在
- 私の一冊「21世紀の地域森林管理」
- 長期施業委託による私有林経営の現状:龍山村森林組合の事例
- 森林所有者協同組合の成立基盤と森林組合の現段階的性格 (特集 新森林組合論--今後の森林組合の在り方を巡って(1))
- 森林組合の基本的性格と現段階 (続・林業経済学への招待-2-)
- 育林経営と素材生産の展開構造--80年代における中小規模林家と森林組合の動向を中心に (林業経済学会1989年度春季大会討論要旨--日本経済の構造転換と森林経営の展開) -- (報告)
- 育林経営と素材生産の展開構造 : 80年代における中小規模林家と森林組合の動向を中心に(統一テーマ:日本経済の構造転換と森林経営の展開,1989年度春季大会報告)
- 昭和60年林業動態調査から林家の動向をどうみるか--熊崎実編著「林業を担う主体の動向」を読んで
- 報告2. 森林組合林産事業の展開構造(林業経済学会1984年度第二回例会)
- 「現代林業経済論」(鈴木尚夫編著の検討1)林業における理論と歴史研究の到達点
- 現代日本の森林管理と制度・政策研究 : 林野行政における経路依存性と森林経営に関する比較研究(テーマ:新政策の狙いと限界,2013年春季大会)
- 二一世紀の林業経営を考える : 後編(『林業経済』座談会)
- 二一世紀の林業経営を考える : 前編(『林業経済』座談会)
- 森林認証をめぐる欧州諸国の対応 : FFCS・PEFC構築の社会過程
- 林業事業体の雇用戦略と林業労働問題 : 山梨県の認定事業体と林業就業者の分析から
- 林野利用権の再編過程と山梨県恩賜県有財産保護団体
- スイスにおける地域森林管理と森林経営の基礎構造(海外林業の最新動向)
- 討論要旨(地域発 これからの森林管理・森林政策,2006年度北日本林業経済研究会シンポジウム)
- 第1報告 地域森林管理の主体形成と林業就業者問題 : 山梨県における現業従業員の存在形態を題材にして(地域発 これからの森林管理・森林政策,2006年度北日本林業経済研究会シンポジウム)
- コメント1 日本林業の再生と森林組合の役割(日本林業の再生と森林組合の役割,(財)林業経済研究所第2回シンポジウム)
- 公的造林の諸問題コメント(林業経済学会1982年度第2回例会報告)
- 後発地育林経営の現段階--群馬県奥多野山村の分析から-4完-
- 後発地育林経営の現段階--群馬県奥多野山村の分析から-3-
- 後発地育林経営の現段階--群馬県奥多野山村の分析から-2- (早尾〔丑麿〕先生追悼号)
- 後発地育林経営の現段階--群馬県奥多野山村の分析から-1-
- 4 森林所有者協同組合の成立基盤と森林組合の現段階的性格(新森林組合論-今後の森林組合の在り方を巡って-(I))
- 5 森林組合の基本的性格と現段階(続・林業経済学への招待(II))
- 報告2 育林経営と素材生産の展開構造 : 八〇年代における中小規模林家と森林組合の動向を中心に(日本経済の構造転換と森林経営の展開,林業経済学会1989年度春季大会討論要旨)
- 昭和60年林業動態調査から林家の動向をどうみるか : 熊崎實編著『林業を担う主体の動向』を読んで
- 『現代林業経済論』, (鈴木尚夫編著)の検討1, 林業における理論と歴史研究の到達点, 日本林業調査会刊, A5判上製, 四〇九ページ, 三〇〇〇円, 一九八四年四月二十五日発行