妊婦のマイナートラブル評価尺度作成の試み : 妊婦のセルフケア向上をめざした評価指標の作成

概要

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【目的】マイナートラブル症状の強度,頻度,苦痛度から客観的な評価の可能な尺度作成を試みる。【方法】合併症のない妊婦269名(平均30.8歳,妊娠28.0週,初産婦163名)を対象に質問紙調査を実施した。調査内容はマイナートラブル評価予備尺度12項目で,これは先行研究を参考に臨床経験5年以上の助産師3名により項目を選定した。回答は自覚頻度と程度から求め,両者の積を苦痛度とした。【結果】苦痛度をもとに因子分析を行ったところ,妊娠起因身体症状(3項目),妊娠起因精神症状(3項目),体質起因身体症状(4項目)の3因子が抽出された。各因子のCronbachのα係数は0.78, 0.64, 0.50,再テスト法によるPearson積率相関係数は, 0.88, 0.69, 0.77であった。【結論】10項目, 3下位尺度のマイナートラブル評価尺度が作成され,内容的妥当性および構成概念妥当性と信頼性の一部が確認された。本尺度はマイナートラブルを自覚頻度,程度,苦痛度の3側面から把握でき,臨床での簡便な使用が可能である。そして苦痛度の数量化により,症状軽減をめざした介入や保健指導の評価指標としての活用が期待される。
日本母性衛生学会の論文
2013-04-00