抗酸化物質のスーパーオキシド消去能とガルビノキシル法またはDPPH法で測定した抗酸化能との相関
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概要
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11種の抗酸化物質(AH)のスーパーオキシドアニオンの消去能を求め、それ等とDPPHおよびガルビノキシルラジカルに対する反応性とを比較した。スーパーオキシドアニオンはキサンチン/キサンチンオキシダーゼ系で発生させた。スーパーオキシドアニオンのプローブとして4-[3-(4-ヨードフェニル)-2-(4-ニトロフェニル)-2H-5-テトラゾリオ]-1,3-ベンゼンジスルホン酸ナトリウム塩(WST-1)を用い、抗酸化剤の濃度を変化させて共存させた時のWST-1の発色速度の減少から、以下の式によりスーパーオキシドアニオンとWST-1および抗酸化剤との反応速度の比(k_A/k_W)を算出した。k_A/k_Wの値はスーパーオキシドアニオン消去能の相対値を表すと考えられる。[numerical formula] k_A、k_Wはスーパーオキシドアニオンと抗酸化物質およびWST-1との反応速度定数、ΔA_0、ΔAは抗酸化物質が存在しない場合および存在する場合でのWST-1の発色速度を表す。結果はスーパーオキシドアニオンの消去能の高い順にコーヒー酸、没食子酸n-プロピル、7,8-ジヒドロキシフラボン、没食子酸、カテキン、ピロガロール、ケルセチン、L-アスコルビン酸、BHA、4-ヒドロキシクマリン、フェルラ酸であった。k_A/k_Wの値と、これらの抗酸化物質とガルビノキシルラジカルおよびDPPHとの以前に報告した抗酸化能との相関を求めた。相関係数は0.448、0.368と低く、ガルビノキシルラジカル法及びDPPH法で求めた抗酸化能は必ずしもスーパーオキシドアニオンの消去能を反映しないことが示された。
- 2013-04-22
著者
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