30MHz以下の標準磁界発生器の校正(<特集>多様化する電磁環境におけるEMC対策設計・評価技術論文)

概要

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周波数30MHz以下の標準磁界発生器について,その校正法と校正結果の不確かさについて検討を行った.標準磁界発生器は,磁界を発生させるループアンテナと信号発生器からなる装置であり,主に磁界強度測定に用いるループアンテナを校正するために用いられる.磁界発生器の特性を表すパラメータには2種類あり,それぞれが異なるトレーサビリティ体系でSI基本単位と結び付けられる.本論文では,これら二つの標準磁界発生器の特性表現について,ループエレメントの給電点に流れる電流値を用いて比較を行い,発生させた磁界強度の不確かさを評価することで,異なるトレーサビリティ体系で得られる結果が同じ結果になることを実験的に証明した.また,市販の標準磁界発生器についても,校正と不確かさ評価を行った.その結果,高周波減衰量及び高周波電力にトレーサビリティを確保する特性表現を用いた方が,磁界強度の不確かさが小さくなること,また,高周波電流にトレーサビリティを確保する場合と比べてトレーサビリティの確保が容易で,維持・管理しやすいことを示した.
2013-04-01