FDTD法を用いたノイズ抑制シートの解析(EMC対策/一般)

概要

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近年,電磁雑音を防ぐノイズ対策部品として,損失性磁性材料をシート状に薄く加工したノイズ抑制シートが注目されている。このため,プリント配線を伝搬する伝導ノイズについて,配線上に装着されたノイズ抑制シートの効果と,その必要寸法について理論的・実験的検討を行った。先ず,市販のシートの材料定数をローレンツ・ローレンツ分散式によって近似して,0.1〜6GHzの広い周波数にわたるFDTD計算を可能にした。さらに,マイクロストリップ線路上にノイズ抑制シートを配置しTRL校正を用いてSパラメータの測定を行い,FDTD解析結果を確かめた。その結果,ノイズ抑制シートを貼付したマイクロストリップ線路の減衰量(dB)は,シートの長さに比例して減少するが,幅については有限値に収束することが判った。さらに,このFDTD解析結果を基にして,ノイズ抑制シートを装着したストリップ線路部分の伝送特性から群遅延時間を計算した。その結果,低周波成分では遅延時間が長いが振幅減衰は少なく,高周波成分では遅延時間は短いが振幅減衰が非常に大きいことが判った。また,台形パルスクロック信号に対する応答を数値解析した結果,高周波のノイズは抑制されるが,クロック信号の立ち上がり時間および立ち下がり時間が長くなるため,ディジタル信号の伝送において不安定さを増す原因になることが確認された。
2006-11-17

FDTD法を用いたノイズ抑制シートの解析(EMC対策/一般)

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