独裁体制の溶解と闇市場・治安維持機関 (山田裕康教授追悼記念号)
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概要
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本論の課題は個人崇拝の行われている独裁体制が経済の闇市場化により、どのように溶解、変容していくかを検討することである。分析により、闇市場の財生産性が向上したとき、治安維持機構による活動の熱心さがある水準以下の場合、闇市場での下層国民の実質賃金が上昇して雇用量が減少し、共産党幹部の財生産労働が増加しうることがわかった。このとき共産党幹部による個人崇拝労働は減少するから、独裁体制は闇市場の財生産性向上により変容する。中長期的には、闇市場の財生産性向上により下層国民の実質賃金が上昇し、それにより独裁者の消費が減少してしまう場合があることがわかった。
- 2011-09-15
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