実路面プロファイルの複雑さを模擬したうねりのある導体面上におけるミリ波伝搬の室内実験(アンテナ・伝搬,<特集>通信技術の進展を支える学生論文)
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概要
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筆者らは以前,うねりのある路面からの散乱波の影響を考慮したミリ波車車間伝搬受信強度計算法の検討の第1ステップとして,うねりの面からの散乱波の物理光学近似による積分表現に基づき,その被積分関数に現れる位相関数が四次多項式近似できる場合に対応した漸近法を導出し,伝送距離Dと正弦波状うねりの波長λ_sの比(D/λ_s)が2程度以下の場合に有効であることを実験室規模での伝搬模擬実験により示した.また,最近,実路面のようなより複雑なうねりをもつ面上の受信強度計算においても対応できるように,高次位相関数に対応した漸近法を導出した.本論文では,この高次位相関数に対応した漸近法の適用性を実験的に検証するため,59.5 GHzを用いて,D/λ_s=3, 4, 5の正弦波状の導体面,及び実路面を模擬した導体面上における実験室規模の伝搬模擬実験を行った結果について述べる.実験結果と高次位相関数に対応した漸近法の計算値はよく一致しており,漸近法の有効性が実験的に確認された.また,漸近計算に寄与するアクティブな停留点の数やその寄与の大きさが複雑に変化をし,幾何光学法の鏡面反射点に相当する実停留点だけでなく,複素停留点が大きく寄与することが分かり,伝搬メカニズム分析能力の有効性も確認された.
- 2013-02-01
著者
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関 健二
関東学院大学
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井原 俊夫
関東学院大学
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井原 俊夫
関東学院大学工学部
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金子 和正
関東学院大学院工学研究科
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関 健二
関東学院大学大学院工学研究科
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金子 和正
関東学院大学大学院工学研究科
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