治療方針決定に苦慮した胃浸潤横行結腸癌・同時性直腸癌の1例
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概要
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症例は58歳男性。入院時の画像診断では、腹膜播種を伴い胃に浸潤し瘻孔を形成した横行結腸癌と同時性直腸癌の高度進行多発大腸癌(cStageIV)であった。全身状態不良で、化学療法の先行か一期的な拡大手術あるいは姑息手術にすべきか、術前術中の治療方針決定に苦慮した。先ず消化管狭窄症状の回避目的に横行結腸癌口側での人工肛門造設術を予定し開腹した。上腹部の殆どを占める巨大腫瘍で腫瘍容量も大きく、人工肛門造設術だけでは経口摂取改善が見込めないと考え、狭窄症状の回避と減量手術とを目的に横行結腸癌を胃と共に合併切除した。病理結果にて横行結腸癌は治癒切除し得たと考え、二期的に直腸癌に対する根治手術を施行した。術後3年現在、再発の兆候なく経過中である。高度進行大腸癌では治療の優先順位を的確に判断することが難しい。画像診断のみならず術中所見、病理学的進行度診断と全身状態の勘案が必要である。
- 2013-03-25
著者
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