がんの最新治療 総論(4)がんの免疫療法
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概要
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免疫療法は近年外科手術、化学療法、放射線治療に次ぐ第4のがん治療法として期待されてきたが、未だ標準治療として普及している方法は少なく、その多くが研究段階にある.しかし、ここ数年の免疫学、分子生物学、遺伝子解析等の進歩により、がん免疫療法は確実な進展を見せている.がん免疫療法の中でもBRM製剤、サイトカイン製剤、モノクローナル抗体製剤はすでに医薬品として薬事承認を得て臨床の場で使用されているが、免疫細胞自体を利用した細胞治療やがんワクチンはほとんど薬事承認されたものがなく、国内では皆無である.最近のがんワクチンや細胞治療の開発状況及び世界的に実施されている大規模臨床試験の進捗状況などからこれらのがん免疫療法が標準療法となる日が近いことが予測させる.その一方で細胞治療製剤やがんワクチン製剤に対する適切な承認申請プロセスが確立されておらず、速やかな薬事承認のためにも適切な制度的枠組みの確立が急務と考えられる.がん免疫療法は副作用の少ない安全な治療法として期待されるが、今後はがん治療の標準療法となるべく、有効性を示すエビデンスの蓄積が必要であり、そのための免疫抑制機序の解除、免疫作用増強のための併用療法、臨床試験の質の向上、治験及び医師主導治験の促進などの課題を克服していくことが重要と考えられる.
- 2013-02-25
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