遅延耐性ネットワークにおける勾配を用いた経路制御のためのノード移動を考慮した勾配形成方法(ワイヤレスインターネット,マルチホップネットワーク,メッシュネットワーク,ネットワーク符号化,クロスレイヤ技術,無線通信及び一般)

概要

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遅延耐性ネットワークにおける勾配を利用した経路制御は、それぞれのノードがメッセージ中継に対する有用度を示す値を持ち、その有用度が高いノードにメッセージを中継しながら、宛先ノードまでメッセージを配送する。宛先ノードを頂点とした有用度による勾配を形成しているようであることから、勾配を利用した経路制御と呼ばれる。適切に勾配を形成することが、勾配を利用した経路制御の重要な課題である。遅延耐性ネットワークでは、ノードが移動するネットワークが多い。そのため、勾配の形成にはノード移動の影響が大きいことが予想される。しかし、既存手法はノードの移動を考慮して勾配を形成していない。勾配形成にノードの移動を考慮していないため、非効率なメッセージ転送が発生し、エンド間のメッセージ配送遅延が大きくなる可能性がある。調査の結果、宛先ノードから遠ざかるノードにメッセージを転送してしまうことで、メッセージ配送遅延が大きくなっていることがわかった。本研究では、非効率なメッセージ転送を軽減するため、ノードの移動を考慮した勾配の形成方法を提案する。提案手法は、宛先ノードから遠ざかるノードへのメッセージ転送を抑制するための勾配を形成し、既存の勾配を利用した経路制御の勾配と重畳することで、既存手法のメッセージ転送能力を維持しつつ、非効率なメッセージ転送を抑制する。シミュレーションにより、提案手法により非効率なメッセージ転送が抑制されることで、平均メッセージ配送遅延が改善することを示す。とりわけ、ノードが直線的に移動する場合は、最大で遅延を約50%削減できることがわかった。
2012-05-10

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