中国の経済成長減速と財政の持続可能性
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概要
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中国の公的債務の規模については、見解が大きく分かれている。国際通貨基金(IMF)が2012年10月に公開したWorld Economic Outlook(WEO)のデータベースに基づけば、中国の2012年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比は1.3%、同年末の一般政府債務残高のGDP比は22.2%と推定される。他方、中国政府の2012年予算では、財政赤字(中央と地方の合計)のGDP比は1.5%で、国債と地方債の残高を合わせた政府全体の債務残高のGDP比は最大で18%程度となる。これにその他の各種地方政府絡みの債務(地方政府性債務)を加えた比較的明示された公的債務については、およそGDPの40%弱程度と見られる。ただ、中央政府の一機関である鉄道省の債務や、中国人民銀行(中央銀行)が公開市場操作などの時に発行した中央銀行手形、三大政府系政策銀行の発行済み債券残高など明文化されない分をも含めた場合、GDP比は60%前後になるとの試算が得られる。
- 2013-03-00
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