情報概念について : 主知主義的な枠組みから解き放つために(<特集>社会情報学からの発信)
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概要
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情報とは何か。この問いに対して,これまで多くの研究者が考察を加え,実り多い概念規定がおこなわれてきた。それら多くの規定に共通するのは,情報を主知主義的な枠組みから把握するというアプローチの視点である。つまり,情報を,知識やデータを「知らせる,通知する」という認知的過程から捉えるアプローチである。しかし,情報過程は,知の対象や知のみを伝達するわけではない。本論文の狙いは,これまでの主知主義的なアプローチを離れて,身体や運動そして生成といった契機と関連づけながら情報概念を再検討することにある。そのための導きの糸となるのは,ライプニッツ,タルド,ベルグソン,そしてドゥルーズの思索-普遍論争以降,一般に実在論と呼ばれてきた知的系譜-である。かれらの思索は,渾然とした知の在り方,さらには情動の生成の問題とも深く結びついているからである。本稿では,さらに,こうした情報概念の拡張が,情報社会をいかなる社会として展望するのか,という問題とも深くかかわっていることを示唆する。
- 2012-09-10
著者
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