後天盲ろう生徒との食事場面における共同的活動の様相
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概要
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食事場面で捉えることのできた後天盲ろう生徒と係わり手(教師)との直接の係わり合いを分析資料とし、本生徒の一瞬一瞬の動き(意思の表出)そのものが如何なる文脈で芽生え、さらに如何なる状況の下でその動きに対する係わり手(教師)の働きかけが展開していったかについて、共同的活動の視点から検討した。係わり合い当初、本生徒は、それまで教師のガイダンスを受けながら使用していたスプーンやフォークなどの道具の使用が困難になったり、給食を食べなくなったりするなどの様子が目立った。しかしながら、食事場面で本生徒が現す動き(主に手の動き)を指向性のある動きと捉え応じることを契機にして、本生徒は次第に教師の差し出すスプーンを受け取って口に運ぶようになった。本生徒の食事行動は初め、口元付近に提示されたスプーンをかろうじて受け取ることで進行していったが、その後次第にテーブル上の器においたスプーンに本生徒自ら手を伸ばすようになった。本稿では、本生徒と教師との食事場面でのやりとりの様相を検討することを通して、係わり手(教師)の実際的な働きかけ(現れた手の動きへの対応)について整理した。さらに、本生徒に発現した手の動きに応じる際の係わり手の意識や、両者の関係性について考察した。
- 2011-02-18
著者
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