私立大学における教員と職員の指揮命令関係に関する一考察 : 学部事務室における教員と職員の関係を中心として
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概要
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本稿では,私立大学の学部事務室に勤務する職員と当該学部に所属する教員の指揮命令関係について,大学内外において肯定的に使用されている「教職協働」という言葉を手がかりに,具体的事例を挙げながら,考察を行った。考察の結果,教員と職員の指揮命令関係において,両者は対等であることを確認した。しかしながら,両者の間に問題のある指揮命令が現実には存在することを見出した上で,次のことを指摘した。(1)「教職協働」を実現するための要因のひとつとして,正規の指揮命令関係のみに従って職務にあたるべきこと,(2)問題のある指揮命令を職員が躊躇なく行う職場環境や風土に「教職協働」が実現されていない現実を生み出す「制度的要因以外の要因」があることである。そして最後に,「教職協働」を真に実現させることによって,契約本位の冷たい職場となる可能性も否定できず,そうした事態への相応の「覚悟」が必要になることを付言した。
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