広島入市被爆者の死亡リスクに関する統計解析
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概要
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原子爆弾による放射線は直接放射線と間接放射線とからなるが,これまで,直接被爆による放射線量と疾病リスクの関係については,広島・長崎の被爆者のデータに基づき,詳細に調べられてきた.しかし,線量の推定が困難という理由などで黒い雨などによる放射性降下物や残留放射線などによる間接被爆による健康被害の実態は,これまで,明らかにされてこなかった.最近になり,被爆者の疾病リスクの上昇が直接被爆線量のみでは説明できないことが,しだいに明らかになりつつある.例えば,冨田らは,6日入市被爆者の白血病罹患危険度は8日以降に入市した被爆者に比べ有意な危険度の増加が認められたと報告している1).また,広島原爆被爆者の死亡リスクの地理分布について,冨田らは,死亡リスクが爆心を中心とする同心円状の分布ではなく,北西方向に高くなる分布をしていることを示した2).このことは,黒い雨などによる放射性降下物や残留放射線による健康影響を示唆していると考えられる.また,2005年に広島大学と朝日新聞社が原爆被爆者38,061人を対象に行ったアンケート調査によれば,入市被爆者の約25%が脱毛などの急性症状を経験したと答えている3). 広島大学原爆放射線医科学研究所では,広島県在住の原爆被爆者を対象とした「広島原爆被爆者コホート」において1968年から追跡調査を行っており,原爆被爆者データベース(ABS)に被爆者に関する基礎資料が収録されている.本研究では,ABSに登録されており,入市被爆者と認定された者で<Wa>1970年1月1日時点で生存し,2010年12月31日まで追跡した47,265名を対象に男女別に,被爆時年齢,曝露時からの経過時間を考慮した上で,1945年8月6日の原爆投下後からの経過日数の違いによる死亡危険度の推定を行い,間接被爆による健康影響を評価することを目的とする.
- 2012-09-25
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