東吉野村におけるスギ人工林の密度管理(I) : 間伐基準・垤忠一氏聞き取りを中心に
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概要
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250年生といわれる人工林を有する吉野でさえ,過疎化,高齢化の問題は深刻で,近い将来長伐期で山林を守り育てる技術が途絶えてしまう懸念がある。従って,長伐期での人工林管理技術の体系化と保存が急がれる。そのため,東吉野村杉谷で長年山守として人工林の保育,間伐に携わってきた垤忠一氏の経歴と,選木の基準についての聞き取り調査を行い,垤氏が,山仕事に楽しさとやりがいと自由を見いだし,山守としての責任感を持って,身近な先達に学び,その精神と技術を引き継いで,長年にわたってこれを実践してきたということを明らかにした。また,除間伐の選木基準は,1.足数をそろえること。(林分を均質に管理する)2.枝張りに注目すること。(永代木などの見極め)3.上の木を伐ること。(他の木の成長を害する木を積極的に伐る)の3点にまとめられた。
- 1999-03-25
著者
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竹内 典之
京都大学フィールド科学教育研究センター
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高橋 絵里奈
京都大学大学院農学研究科:(現)京都大学フィールド科学教育研究センター
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竹内 典之
京都大学農学研究科
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高橋 絵里奈
京都大学農学研究科附属演習林
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