多段バランス型RF整流回路(化合物半導体デバイス及び超高周波デバイス/一般)

概要

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無線電力伝送やエネルギーハーベスティング,およびイメージング技術など新たなRFアプリケーションにおいて,高効率な整流回路が必要となっている.一般的にRF信号の整流にはショットキーダイオードが用いられる,入力されたエネルギーを有効に活用するため,従来の整流回路にはインピーダンス整合回路が不可欠であった,しかしながら実使用環境において,入力周波数や電力レベルおよび負荷抵抗値の変動により整合回路が問題になる.そこで本稿では整合回路を用いずに,広帯域かつ高効率となる新たなRF整流回路方式を提案する.等分配のハイブリッド回路に一対のダイオードを配置した構成を,縦列に2段接続する.このような構成とすることにより,1段目で重大なミスマッチングが起きた場合でも,反射したエネルギーを再利用することが可能となる.この方式でSバンドの2段バランス型RF整流回路の設計・試作を行った.実験を行った結果,従来方式と比較して提案方式は入力端子への反射量S<11>が-6dB以下の帯域幅で10.1倍,電力効率が25%以上の帯域幅で7.3倍広帯域な結果となった,また,実験により負荷抵抗値の偏差に対して許容範囲が大きいことも検証した.
2012-01-04