成人型アトピー性皮膚炎患者の不安についての検討 : クラスター分析を用いて
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概要
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本研究の目的は,成人期のアトピー性皮膚炎(成人型AD)患者の不安感受性について検討し,クラスター分析により成人型AD患者特有の不安パターンを明らかにすることであった.不安感受性についてADを有さない成人と比較した結果,成人型AD患者の得点は高いものの有意差は認められなかった.さらに,クラスター分析を実施した結果,低不安(LA),高不安(HA),身体関連不安(PHA)の3つのクラスターとして解釈することが妥当であると判断された.これら3つのクラスターすべてについて対象者の割合を検討したところ,すべての尺度において低得点を示したLAには一般成人が有意に多く,すべての尺度において高得点を示したHAおよび痒みに対する不安と身体的な警戒のみが高くなるPHAには成人型AD患者が有意に多いことが示された.以上の結果から,成人型AD患者が抱える不安へのアプローチには,疾患特異的な不安を考慮する必要性が示唆された.
- 2012-08-01
著者
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坂野 雄二
北海道医療大学心理科学部
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樋町 美華
福山大学人間文化学部
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坂野 雄二
厚生労働省
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坂野 雄二
志學館大学 人間関係学部
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坂野 雄二
早稲田大学
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羽白 誠
はしろクリニック
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坂野 雄二
筑波大学
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坂野 雄二
北海道医療大学
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岡島 義
財団法人神経研究所附属睡眠センター
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樋町 美華
福山大学人間文化学部心理学科
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岡島 義
神経研究所附属睡眠学センター:東京医科大学睡眠学講座
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岡島 義
公益財団法人神経研究所
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