Rasch分析による脳卒中,大腿骨頸部骨折患者のADL構造解析 : 機能的自立度評価法(FIM)を用いて
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概要
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【目的】本研究の目的は脳卒中,大腿骨頸部骨折患者の日常生活活動(ADL)の再獲得過程をあきらかにすることである。【方法】日本リハ医学会リハ患者データベースに登録されたデータから脳卒中1,820例,大腿骨頸部骨折247例を抽出し対象とした。Rasch分析にて機能的自立度評価法(FIM)運動13項目の入退院時の項目別難易度と適合度指標を求めた。【結果】脳卒中は難易度が接近した中難度のADL群が存在した。大腿骨頭部頸部骨折では上半身更衣が脳卒中に比べ難易度が低かったが,両疾患のADL難易度の序列に大きな差はなかった。【結論】今回用いたデータベース登録データに基づけば脳卒中と大腿骨頸部骨折ではそのADL構造に違いがあることがわかった。これは脳卒中では片側上下肢の麻痺,大腿骨頸部骨折では単肢の受傷という機能障害レベルの相違によって生じていると思われた。両疾患のADL構造の特徴を知ることは,ADL評価や理学療法を進めるうえで有用な知見になると思われた。
- 2012-06-20
著者
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青柳 陽一郎
新日本製鐵広畑製鐵所病院 リハビリテーション科
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青柳 陽一郎
川崎医科大学 リハビリテーション医学教室
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岩井 信彦
神戸学院大学総合リハビリテーション学部
-
青柳 陽一郎
藤田保健衛生大学医学部リハビリテーション医学i講座
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