安全な食道異物摘出の工夫 : 頸部食道に誤飲した開いた安全ピンの1例
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概要
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頸部食遵に誤飲した開いた安全ピンを内視鏡下に各種工夫を行い安全に摘出したので報告する.症例は1歳4か月の男児.食餌摂取時に咽込み,嘔吐・吐血があった.部屋の周辺に安全ピンが落ちていたため,異物誤飲を疑い前医受診した.前医X線撮影にて頸部に開いた安全ピンを確認し当院を受診した.摘出困難と判断し,全身麻酔下,内視鏡下に摘出を試みた.まず内視鏡下に安全ピンを胃内に押し込んだ.次に内視鏡を気管内挿管チューブ(オーバーチューブ)に通して胃内で操作を行った.内視鏡把持鉗子で安全ピンを把持し,内視鏡外から挿入したスネア鉗子で安全ピンを閉じた後,オーバーチューブを押しこみピンを引き込んだ状態で摘出した.明らかな食道損傷はなく術後3日目に退院となった.食道異物は摘出が基本的であるが,摘出方法はその形態や材質によって状況に沿った対応が必要である.
- 2012-06-20
著者
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比企 さおり
熊本赤十字病院小児外科
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寺倉 宏嗣
熊本赤十字病院小児外科
-
吉元 和彦
都立清瀬小児病院外科
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吉元 和彦
熊本赤十字病院小児外科
-
橋詰 直樹
久留米大学医学部外科学講座小児外科部門
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橋詰 直樹
熊本赤十字病院小児外科
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