アブラナ科野菜根こぶ病の発病に及ぼす各種有機質資材施用の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
アブラナ科野菜根こぶ病に対し,粉末キチンを土壌に1.5〜2.5%(w/w),播種1週間前に施用すると発病軽減効果が得られた。カニガラの場合は播種1〜2週間前に1.5〜2.5%を施用すると同様の効果が得られた。また,米ぬかを0.5〜1.0%,播種2週間前に施用しても発病を軽減できた。しかし,いずれの資材も土壌中の休眠胞子密度が高くなるにつれて,発病軽減効果は低くなる傾向があった。一方,これらの資材を施用すると,土壌中の休眠胞子密度が低減し,特にキチンを施用した場合(無処理区の32〜38%に減少)に顕著であった。これら資材の発病軽減効果のメカニズムとしては,土壌pHの上昇や土壌中の交換性カルシウム含量の増加,キチン分解能を有する放線菌数の増大など複数の要因の関与が推察された。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 2009-04-01
著者
-
村上 弘治
野茶研
-
畔柳 有希子
野茶研
-
村上 弘治
農研機構・東北農業研究センター
-
對馬 誠也
農研機構・東北農業研究センター
-
宍戸 良洋
農研機構・東北農業研究センター
-
畔柳 有希子
農研機構・東北農業研究センター
関連論文
- P-17 農耕地黒ボク土における可給態リン濃度の細菌と糸状菌の群集構造に及ぼす影響(ポスター発表)
- (130) ウリ類に発生するホモプシス根腐病菌のrRNA遺伝子のITS領域に基づく分子系統解析(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (175) 葉上生息性バクテリアル・エピファイトによるトマト地上部病害の制御(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- PA-09 健全コムギ穂に生息する細菌の群集構造およびクオラムセンシング関連シグナル分子の生産性(農耕地生態系,ポスターセッションA,ポスター発表)
- (404) 健全コムギ穂に生息する細菌群集におけるN-acylhomoserine lactone化合物類の生産能(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (417)温室,圃場栽培したトマト葉における細菌群集構造の解析とこれら細菌のα-tomatineに対する感受性(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (4)Penicillium oxalicumによるトマト緑かび病(新称)(関東部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- (333) 健全および赤かび病罹病コムギ小穂に生息する細菌群集構造(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (167) Penicillium sp.によるトマト緑かび病(新称)(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (78) ムギ栽培圃場由来の細菌によるDeoxynivalenol分解(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (6) Fusarium oxysporum f. sp. conglutinansのIGS領域およびMAT1-1の塩基配列に基づいた分子系統解析(平成19年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 130年間収集された農業環境技術研究所所蔵微生物標本のデータベース作成
- (238) ダイズ葉および莢果から分離された細菌相の構成(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (223) イネ生息細菌の群集構造に及ぼす展着剤の影響(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (167) 健全イネおよびいもち病罹病イネに生息する細菌の群集構造およびいもち病菌に対する拮抗能(平成18年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- PB-50 ダイズ葉および莢果に生息する細菌フロラ(群集構造解析,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- PB-15 ムギ栽培圃場から分離されたDeoxynivalenol分解細菌(バイオレメディエーション,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- (215) イチゴ葉と葉柄における細菌相とイチゴ炭疽病に対する発病抑制効果(平成17年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (177)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 6)各種作物の細菌群集構造における量的および質的差異(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (175)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 4)イネにおける細菌の群集構造の経時的変動(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (173)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 2)トマトにおける細菌の群集構造とトマト灰色かび病菌,葉かび病菌,輪紋病菌に対する拮抗能(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (373)健全イネ葉鞘から分離された細菌の16S rDNAによる分類学的検討(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- (372)健全イネ葉鞘から分離される細菌の個体群構造(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 6-35 キャベツ栽培圃場における家畜ふん堆肥施用が土壌化学性および生物性に及ぼす影響(6.土壌生物,2009年度京都大会)
- キャベツ栽培圃場における家畜ふん堆肥の多投入が土壌養分環境に及ぼす影響
- 43 家畜ふん堆肥の多投がキャベツ栽培圃場の土壌環境に及ぼす影響(関東支部講演会,2007年度各支部会)
- P6-3 家畜ふん堆肥の施用がキャベツ栽培圃場の土壌微生物相に及ぼす影響(ポスター紹介,6.土壌生物,2008年度愛知大会)
- P6-6 PCR-DGGE法によるキャベツ栽培土壌の微生物群集構造の解析(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- アブラナ科野菜根こぶ病の発病に及ぼす各種有機質資材施用の影響
- 土壌pHおよびカルシウムがアブラナ科野菜根こぶ病菌の初期感染に及ぼす影響
- アブラナ科野菜根こぶ病菌に及ぼすpHの影響
- 根こぶの熱処理が根こぶ病菌の病原力に及ぼす影響
- 54 アブラナ科野菜根こぶ病のDRCに基づく防除(関東支部講演会)
- 7-2 アブラナ科野菜根こぶ病のDRC診断に基づく総合防除(7.土壌病害)
- 6-24 リン脂質脂肪酸分析による有機物連用畑の微生物相の解析(6.土壌生物)
- おとり植物によるアブラナ科野菜根こぶ病の防除効果に及ぼすフルスルファミド粉剤の影響
- 7-1 アブラナ科野菜根こぶ病におけるDRC診断 : 土壌・植物による影響(7.土壌病害)
- 7-6 土壌病害に対する対抗性植物の利用 : 対抗性植物によるハクサイ根こぶ病の発病抑制効果(7.土壌病害)
- (299) ハクサイ根こぶ病罹病根の鋤込みによる土壌中の休眠胞子密度の変動 (平成11年度 日本植物病理学会大会)
- 7-6 土壌病害に対する対抗性植物の利用 : ハクサイ根こぶ病の対抗性植物の選抜(7.土壌病害)
- ハクサイ根こぶ病のおとり植物による菌密度低減効果
- 7-4 土壌病害に対する対抗性植物の利用 : ダイコン萎黄病・キュウリつる割病の対抗性植物の選抜(7.土壌病害)
- (416)コムギ,オオムギの細菌群集構造と分離細菌の赤かび病菌に対する拮抗能およびDON分解能(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (172)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 1)コムギ・オオムギにおける細菌の群集構造とコムギ赤かび病菌に対する拮抗能(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- P-091 イネ葉面より分離されたSphigomonas属細菌におけるアルキルフェノール系化合物の分解性(バイオレメディエーション,ポスター発表)
- (418)イチゴ葉の細菌群集構造とこれら分離菌のイチゴうどんこ病発病抑制効果(平成16年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- 日本野生植物寄生・共生菌類目録の作成とWeb公開
- (176)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 5)イネにおける糸状菌の群集構造の経時的変動(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- (174)各種作物における微生物の群集構造の解析と有効利用法の確立 3)チンゲンサイ,コマツナにおける細菌の群集構造(平成15年度日本植物病理学会大会講演要旨)
- P-129 データベース登録用DGGE画像標準化に適したゲル作成温度の検討(ポスター発表)
- 土壌微生物生態研究への回帰木解析の応用
- Pseudomonas syringae pv. coronafaciensによるライムギかさ枯病の発生
- (21)Rhizopus oryzaeのマセレーション酵素生産性(平成14年度 日本植物病理学会大会講演要旨)
- 茨城県で発生した Colletotrichum acutatum によるブルーベリー炭疽病(新称)(関東部会講演要旨)
- 1C-4 かび毒Deoxynivalenol(DON)分解細菌からのDON分解酵素遺伝子の取得と解析(口頭発表)
- 07-122 ムギ類に蓄積する赤かび毒deoxynivalenol(DON)分解細菌の環境中での分布と多様性(その他,研究発表)
- PB-21 アーバスキュラー菌根菌胞子および感染根中のポリリン酸の動態(物質循環,ポスターセッションB,(1)ポスター発表会,研究発表会)
- 7-2 アブラナ科野菜根こぶ病菌菌密度に及ぼす石灰資材およびフルスルファミド粉剤の影響(7.土壌病害)
- 土壌病害(第3部門 土壌生物,部門別進歩総説特集号)
- 地理的に異なる黒ボク土における細菌・糸状菌・線虫相と各種環境要因との関係(2010年度大会一般講演要旨)
- 全国農耕地黒ボク土壌の糸状菌と線虫の群集構造解析(2009年度大会一般講演要旨)
- トリコテセン系かび毒を代謝する細菌由来P450酵素系(2010年度大会一般講演要旨)
- ムギ根圏土壌より分離された新規Deoxynivalenol分解細菌(2007年度大会一般講演要旨)
- ノニルフェノールポリエトキシレート散布によるイネ葉圏細菌への影響(2006年度大会一般講演要旨)
- キャベツ栽培土壌における微生物相と家畜ふん堆肥施用歴との関係(2010年度大会一般講演要旨)
- ゲル作成時の温度がDGGEのバンドラインの歪みに及ぼす影響
- 土壌微生物生態研究への回帰木解析の応用
- アブラナ科野菜根こぶ病の発病に及ぼす各種有機質資材施用の影響
- 土壌から抽出したeDNAを用いた,トマト萎凋病菌レースの識別法(2008年度大会一般講演要旨)
- 数種のアーバスキュラー菌根菌におけるポリリン酸蓄積の違い(2007年度大会一般講演要旨)
- アーバスキュラー菌根菌Archaeospora leptotichaおよびその類縁菌のrDNA-ITS領域に基づく系統解析(2005年度大会一般講演要旨)
- リン脂質脂肪酸分析による有機物施用畑の微生物相の解析(2003年度大会一般講演要旨)
- アブラナ科野菜根こぶ病のDRC診断(2003年度大会一般講演要旨)
- キャベツ栽培圃場におけるフルスルファミド粉剤の施用が土壌微生物相に及ぼす影響(2009年度大会一般講演要旨)
- PCRを用いたアブラナ科野菜根こぶ病菌検出法の検討(2008年度大会一般講演要旨)
- おとり植物による根こぶ病菌密度低減効果に及ぼす土壌pHの影響(2007年度大会一般講演要旨)
- アブラナ科野菜根こぶ病菌に及ぼすカルシウムの影響(2006年度大会一般講演要旨)
- アブラナ科野菜根こぶ病菌に及ぼすpHの影響(2005年度大会一般講演要旨)
- アブラナ科野菜根こぶ病に及ぼす有機質資材の影響(2002年度大会一般講演要旨)
- 根こぶ病罹病根の処理が土壌中の病原菌密度に及ぼす影響(2001年度大会一般講演要旨)
- アブラナ科野菜根こぶ病に対する抑止土壌の抑止要因(1999年度大会一般講演要旨)
- P3-2-2 DRC(Dose Response Curve)に基づくアブラナ科野菜根こぶ病の発病リスク評価(3-2 土壌生物の応用と制御)