乳癌手術後22年目に肺転移を切除し、その後6年目に骨・リンパ節転移をきたした1例

概要

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症例は68歳、女性。 S57年に右乳癌にて、定型的乳房切断術を受け、病理診断は、invasive ductal carcinoma, T1N1M0, Stage IIであった。 H16年6月にCA15-3漸増を認め、胸部CTにて右下葉に1個、左上葉に2個、左下葉に2個の小結節影を認めた。原発不明の多発肺転移と判断し、胸腔鏡下左上下葉部分切除術を施行した。病理所見では、乳管癌に類似し、ER(+), PgR(+)であり、乳癌の肺転移と診断された。治療としてアロマターゼ阻害剤を投与した。 H22年9月に腰痛出現し、PET—CTにて、頚部縦隔リンパ節、腰椎に集積を認めた。頚部リンパ節生検にて、乳癌リンパ節転移と診断され、アロマターゼ阻害剤と腰椎照射、縦隔リンパ節照射を行った。乳癌は遠隔期にも転移を来すとされているが、原発巣切除後22 年経過してからの肺のみの転移手術症例は稀であり、更にその後6年目に骨やリンパ節へ転移を来すという稀な経過をとったため、文献的考察を加えて報告した。
2012-06-25