造血幹細胞移植前の患者の気分の変化と活気による移植の認識の違いについて
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概要
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本研究の目的は,造血幹細胞移植の準備期にある患者の気分の経時的な変化を日本語版POMS,日本語版MAC,自尊感情尺度を用いて評価し,気分の変化と移植に関する認識の違いを記述することである.調査は,移植前4週間頃,移植前2週間頃,移植直前の3回行った.研究協力の承諾が得られた移植予定の患者13名に対し,POMSなどの尺度による調査と,移植に関する認識について尋ねた半構成的質問紙を用いた面接調査を行った.POMSの各時点における平均を一元配置反復測定分散分析により検討した結果,下位項目の活気[F(2,24)=4.525,p=0.027]と疲労[F(2,24)5.926,p=0.008]で有意差が認められた.これら有意な平均の変化が見られた下位項目の得点変動に基づいて対象者を2群に分け,移植に関する認識の内容を両群間で比較した.活気不安定グループは医療者などへの依存的な認識が多く,活気安定グループは客観的な認識がみられた. このことから移植前に患者は移植を自己決定しても,活気不安定グループは依存的な認知があると考えられ,特に活気などの気分に変化のある患者には移植前からの正しい認知についての患者教育としての看護援助が必要であること示唆された.
- 岩手県立大学の論文
著者
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杉本 知子
昭和伊南総合病院眼科
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森 一恵
岩手県立大学看護学部
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杉本 知子
香川医科大学医学部看護学科
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三角 葉子
大阪府立成人病センター
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杉本 知子
神奈川県立保健福祉大学
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三角 葉子
大阪府立病院機構大阪府立成人病センター
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