阿部七五三吉による手工教育の実践的展開 : 岡山秀吉の尋常小学校教科課程案との比較を中心として
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概要
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小論では,昭和戦前期における手工教育の研究者である阿部七五三吉の教科課程案に着目し,その特質を明らかにするために同時期に活躍した岡山秀吉の提案との比較分析を中心に研究を進めた。その結果,教材単元を重視する岡山の提案と比較すると,阿部の提案は教材単元と経験単元とを巧みに配置した教科課程の開発に取り組んでいたことが分かった。阿部は子どもの生活に根ざした具体的な教育目的を持つ抽象的な題材で構成された教科課程によって,子どもの活動の多様性と能動性とを同時に担保しようとした。そして,特定の学問に依拠する知識・技術に優れた人物の育成ではなく,諸科学を総合する能力の形成を目指していたことを明らかにした。
- 2012-03-25
著者
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