割合文章題解決における介入授業の効果 : 分数表示方略の提案
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概要
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割合の文章題を解くことは小学生にとって難しいことがこれまでの研究で示されてきた。いくつかの研究では,学校で学習した公式を用いずに解く児童が多くいることも示されている。これは,割合文章題の解決を困難にしている原因のひとつに公式の使いにくさがあることを示すものである。本研究では,算数の文章題についての心理学研究の知見に基づいて,割合文章題に関するよりよい教授方法を考案しその効果を検討した。算数の文章題を解決するためには統合過程の成立が重要であるとされる。統合過程を成立させるために,児童にとって既知の内容である分数を用いた方略(分数表示方略)を教授した。小学6年生125人を対象として,事前テスト,介入授業,事後テスト,2週間後の追加調査を実施した。正答率は,事前(64%)から事後(90%)に上昇した。追加調査においても正答率は維持されており,今回の教授方法の効果が確認された。
- 日本教授学習心理学会の論文
- 2009-06-18
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