NPOと政策過程 : 「民の公共」の創出過程をめぐって
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概要
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1990年代以降、政府か市場か、あるいは公か私かという二者択一的な発想を超えて生じてきた「新しい公共」、「民の公共」と呼ばれる領域がある。また、地方分権の流れの中で、自治体レベルで「市民団体・NPO等との「協働」ブームというような状況がつくられてきている。そのような中で、NPOが生活(私の領域)の中から政策提起をはらんだ活動を生みだし、力を発揮し、政策に影響を与えていく状況がつくられてきている。その影響の過程について、3つのNPOの活動事例を通して、私(生活)領域から、公(政策)領域の変容、相互作用のダイナミズムに焦点をあて考察した。そのプロセスについては、1)活動の出発点、2)仲間の出会い、3)エンパワメント、4)政策創出、5)公の変容、そして6)協働の推進と生活への影響、に区分し、それぞれの段階における相互作用に、政策面、実践面での示唆を得ることとなった。また、政策の変容と、再び生活領域が豊かになるようなNPOの取り組みには、1.コミュニティの重視、2.相互依存の力(エンパワメント)への転化、があることが見出された。
- 2010-03-31
著者
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