内視鏡外科手術における研究と治療の進歩(2)消化器外科領域 (2)下部消化管:大腸癌,大腸癌に対する腹腔鏡下手術の治療と最近の進歩

概要

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大腸癌に対する腹腔鏡下手術は1991年に初めて報告され手術手技やoncologicalな問題を解決しつつ現在に至っている。腹腔鏡下大腸切除は、低侵襲治療の主役を担う治療法である。その適応は、早期大腸癌だけでなく、進行大腸癌や直腸癌の手術にも適応が拡大されつつある。Stage II, III に関しては、多施設での長期成績が十分明らかになっていないが、多くの施設ですでに適応拡大されている。しかしながら、横行結腸癌に対する中結腸動脈根部および下部直腸癌に対する側方リンパ節の郭清は腹腔鏡下では技術的に困難とされ多くの施設で適応外とされているのが現状である。,手術手技の向上、手技の定型化により開腹手術に劣らない短期成績のみでなく遠隔成績も報告されつつある。腹腔鏡下手術は開腹手術と比較して、手術時間は長いが出血量が少なく、リンパ節郭清個数は差がない。欧米では、開腹移行率は4-29%と比較的高頻度であるが、本邦では4.4%であった。遠隔成績はいづれの試験においても、開腹手術と遜色ないか、あるいはむしろ良好な成績が示されつつある。,大腸癌に対する腹腔鏡下手術は、この15年ほどで急速な進歩と普及がおこなわれてきた。同時に、手術手技の標準化が行われ、施設間の格差は少なくなりつつある。また、近年では、手術器具の発達や技術の向上を背景にport reduced surgeryやrobotic surgeryも順次導入されつつある。究極的に目指すところは、腹部に傷のない、NOTES(Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)への方向性であろう。一方、低侵襲の方向性だけでなくadvanced laparoscopic surgeryといった、これまで不可能であった手術への腹腔鏡下手術の技術応用も期待されている。,
2012-04-25

内視鏡外科手術における研究と治療の進歩(2)消化器外科領域 (2)下部消化管:大腸癌,大腸癌に対する腹腔鏡下手術の治療と最近の進歩

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