原子力政策 : 政策決定の法制度にかかわる「公共空間」(1)
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概要
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合理的かつ総合的なエネルギー政策の検討のためには、熟議をなし得る法制度上の「公共空間」の構築が欠かせない。原子力政策をめぐる現行法制度上の「公共空間」の実情と課題をこれまでの諸研究のレビューにより確認し、原子力政策にかかわる「公共空間」が極めて貧弱である理由を探った。相次ぐ電力会社の不祥事や監督官庁等の失態から、地元住民の間では地方政府への期待が高まり、一般市民の間ではエネルギー政策の選択肢を求める声が大きくなっている。にもかかわらず、むしろそれ故に、原子力発電の推進を国策としてきた中央政府と専門家は、住民、市民の合理的判断能力や科学的思考の欠如という「素人像」を前提として、行政官僚こそが専門科学者との協同により合理的な政策を決定できる、国民はこれを理解し受容すべきであるという、意思決定にかかわる政策信念に固執してきた。このことがパブリックコメントの機能不全、公開ヒアリングの形骸化、環境影響評価の未成熟、円卓会議と市民参加懇談会の変質と退行などを生んだ要因の一つであるとの仮説を導いた。
- 2012-03-20
著者
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