ケシ(Papaver somniferum L.)の生産力におよぼす気象要因の影響(第4報) : 一貫種の生産力と気象要因との重相関,偏相関
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概要
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和歌山薬用植物栽培試験場で栽培されたケシ一貫種の生産力(あへん収量,あへん中のモルヒネ含量,モルヒネ収量)と各種気象要因との間の重相関,偏相関を検定し次のような結果を得た.1. 5月の気象要因のうちで最も強くケシ一貫種のあへん収量に影響をおよぼす気象要因は月合計降水量である.そのほか5月の月平均最高気温,月平均気温較差,月平均湿度,月平均雲量がそれぞれあへん収量に影響をおよぼすが,その程度は月合計降水量に比して弱い.開花期に相当する5月上旬においては旬平均最高気温が最も強くあへん収量に影響をおよぼし,それに次いで旬合計降水量が影響をおよぼす.あへん採汁期にほぼ相当する5月下旬においては旬合計日照時間のみが真にあへん収量に影響をおよぼす.2. さく果生育期に相当する5月中旬におげる降水量が多いほどあへん中のモルヒネ含量は高い.あへん採汁期にほぼ相当する5月下旬においては,降水量が最も強く,次いで湿度,雲量があへん中のモルヒネ含量に有意の影響をおよぼす.3. 5月の月合計降水量は最も強くモルヒネ収量に影響をおよぼし,次いで月平均最高気温が影響をおよぼす.開花期に相当する5月上旬の旬平均最高気温が高く,旬合計降水量が少なく,あへん採汁期に相当する5月下旬の合計日照時間が長いほどモルヒネ生産力は高くなる.
- 日本生薬学会の論文
- 1982-09-20
著者
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