王逸『楚辭章句』全巻における「離騒」テーマの展開
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概要
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本稿は屈原イメージの変遷を追いながら、中国文化史における系譜性の問題に取り組もうとする研究の一環である。本稿では、後漢・王逸『楚辭章句』にその後の屈原イメージの祖型を探る。イメージを考察するに当たっての具体的手法としては、屈原という人物及び屈原作"とされた"楚辞について語る語彙を屈原イメージの媒体として扱う。意識やイメージという数値化しがたい抽象的な対象を考察するために、本研究は漢文化の最も重要な媒体である"漢字"を切り口にキーワードを電子文献上で検索し、使用頻度を考察するという方法を試みる。この手法はまた文化史上の系譜性を扱うという従来は非常に困難であった課題に取り組むことを可能にしてくれる一方法であると考える。
- 2012-03-02
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