戦略的人的資源管理の進展に伴うキャリアに関する論点整理
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概要
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研究ノート(Note)本稿は、戦略的人的資源管理(Strategic Human Resource Management、以下SHRMと記す)の進展に伴って生じると思われるキャリアに関する問題に向けての論点整理を行うことを目的とする。主に、RBV(Resource-Based View of the firms)と非正規労働者キャリアの乖離を提示する。SHRMの観点から見た際に、これら2つの乖離は今後の企業と労働力・労働者のあり方を語る上で整理しなければならない点だと考える。SHRMとは経営戦略と人的資源管理(Human Resource Management、以下HRMと記す)に一貫性を持たせて高業績をもたらそうというものである。では、このSHRMと上述のRBV、非正規労働者キャリアがどのように関連するのか。まず、RBVはSHRMを遂行する上で大きなイニシアティブをもった概念であることから、SHRMが進展するとRBVの実践は強化されるであろうと予測できる。次に、非正規労働者キャリアに関する問題はSHRMにおける人材アーキテクチャー理論に起因するものが多く、SHRMが進展すると正規労働者のみに視点を向けた人材育成が行われ、非正規労働者の育成には関心を払わない可能性が出てくる。その結果、キャリアにおいて格差が生じて拡大していく可能性も出てくる。このような観点から、RBVと非正規労働者キャリアの乖離を提示した上で、論点整理することは、今後起こりうるだろう労働者のキャリア形成・管理の問題点への試金石になると考える。この点が本稿の意義といえる。This paper aims to review and indicate the solution of some problems of contingent workers. In Japan, contingent workers have been increasing with the progress of the progress of strategic human resource management, and they have some problems. These problems are `Double-Track' phenomenon, Wage differential. On this paper aims to summerizes these problems through the precede researches. First, it defines contingent workers. It makes clear why contingent worker has been increasing in last several decades. Second, through the precede researches, it summarizes its increasing causes some problems among them. Some problems are `Double-Track' phenomenon, Wage differential. Finally, it makes a few suggestions for the solutions of these above-mentioned problems.
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