地球語として発信英語の言語感覚を教える : 「単位情報」の観点から(人間の言語処理と学習)
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概要
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日本人は島国に住んでいるので,異国の情報を聴覚符牒(音声)で得ることは少なく,視覚符牒(文字)を通して摂取するしかなかった.そこでは,「発信」より「受信」が重要で,「外国語文(漢文)」を理解する方法が工夫された.漢文を返り点を使って母語化して解釈するという方法は(日本人だけの発明ではないが)日本の文化に深く浸透していたので,黒船がきて,異国の文化を英語で摂取しなければならなくなった時,「返り点」の方法が英語にも利用された.英語(He went to London/ to study English.)を疑似日本語(英語を勉強するために・彼はロンドンへ行った)で理解するという方法である.普通の日本語なら,この内容は「彼はロンドンに英語の勉強に行った」である.異言語の視覚符牒をこのように疑似母語に変換する習慣のために,日本人は元来人間に備わっている言語感覚を混乱させて,異言語に対する対応力を損なって,情報発信の能力を育てることができなくなってしまっている.そこで,「言語情報」というものは,どの言語においても,共通して,前から順に「単位情報」が提示されるという原点に立って日本語と英語を考えてみる.
- 2011-07-29
著者
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