移動通信におけるデータチャネルに適したチャネル符号化の検討(符号化技術特集セッション,符号化技術特集セッション,移動衛星通信,放送,誤り訂正,無線通信一般)

概要

論文の詳細を見る
移動通信においては,フェージングによる受信品質の劣化を補償するため,チャネル符号化の適用が必須である.本稿では,特にデータチャネルに適用するチャネル符号化について検討を行う.データチャネルにおいては,例えば100Mbps以上といった高速伝送の低遅延での実現が必要であり,スループット増大のための適応変復調・チャネル符号化,エラーフリー伝送の実現のためのパケット合成を行うHybrid ARQ (Automatic Repeat reQuest)が適用される.このため,チャネル符号化を検討する上で,これらの要求条件を満たす符号が必要である.本稿では,まずこれら移動通信で求められるチャネル符号化の要求条件について整理した後,シャノン限界に近い特性が得られるチャネル符号化である,ターボ符号,およびLDPC (Low Density Parity Check)符号に着目して,上記要求条件を満たす符号構成について検討する.また,移動通信において標準化されたターボ符号,およびLDPC符号が,様々な情報ビット長(200-2000ビット),符号化率(0.33-0.8)に対して,Sphere Packing Boundからの劣化が0.7dB以下と良好な特性を示すことを明らかにする.
2011-08-18